【た】

曲名 解        説


曲名 解        説
「千鳥の曲」

2002.6. 1up

吉沢検校 作曲 

 『しほの山(山梨県塩山)、さしでの磯(山梨県笛吹川の西岸)にすむ千鳥(ちどり)
    君が御代(齢(よわい))をば  八千代(ちどりの鳴き声がチヨチヨと鳴くので)とぞ啼く。』
                                         
(古今集 読み人知らず)
  ・・・塩山(山梨県)の、さしでの磯に住んでいる千鳥は、君の齢(よわい)が永く続くように
    寿ぎ(ことほぎ)祈って啼いている(鳴いている)。

 【手事】

 『淡路島(瀬戸内海の島)、 かよふ千鳥のなく声に、
  いく夜寝ざめぬ(幾晩寝ていて目をさましたことか)須磨(神戸市)の関守(関所の番人)。』
 
                                                           (金葉集  源 兼昌)

  ・・・淡路島へ飛び通う千鳥のもの悲しくなく声で、須磨の関の番人は、幾晩、目をさましたことだろうか。
 
 *【ちどり・・・冬に海辺・川辺に群れすむ小形の鳥。背中は青黒く、ほお・腹は白い。】

この曲は、吉沢検校(1800〜1872)の作曲で、古今組(千鳥の曲・春の曲・夏の曲・秋の曲・冬の曲)の一つ。
雅楽の調子を基にした古今調子で作られている。歌詞は「古今和歌集」「金葉集」から各一種を選び歌詞とし
「前歌−手事−後歌」の手事物で純箏曲として作曲されている。「六段の調」とともによく知られている。




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